エネルギー価格の高騰が続くなか、企業にとって省エネ率を高めた節電はもはや必須の対策と言える時代になりました。また、政府が示した「2050年のカーボンニュートラル実現(温室効果ガス排出量実質ゼロ)」の目標達成についても、節電に伴う脱炭素への取り組みが急務の課題となっています。
多くの企業が節電/脱炭素に取り組む中、小売業は製造業などのほかの業種と比較した場合、取り組みが一歩出遅れているともいわれています。そこで、この記事では小売業が取り組むべき節電/脱炭素の対策について、実際の事例も交えて紹介したいと思います。無料の資料もダウンロードできますので、そちらもあわせてご活用ください。

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まずは「見える化」が必要!
小売業が占めるCO2排出量を知る
環境省が2022年に発表した資料によると、日本全体のCO2排出量を消費者別の「産業部門」「運輸部門」「家庭部門」「エネルギー転換部門」と言った大きなカテゴリに分けた場合、小売業は全体の約2割を占める「業務その他部門」に含まれます。そして、「業務その他部門」の内訳を業種別にみると、「宿泊業・飲食サービス業」や「医療・福祉」をおさえて、「卸売業・小売業」が最も多い21%(3,710万トン)となっています。

引用:環境省『2022年度(令和4年度)温室効果ガス排出・吸収量について』
自分の店舗のエネルギー消費量を知る
日本全体で見てみると小売業のCO2排出量が決して少なくない量であることが分かり、小売業界の脱炭素化が進むことがカーボンニュートラル実現に対して大きなインパクトになることがうかがえるかと思います。
実際にどのように節電/脱炭素に取り組むかを考えた場合、全体の数字を把握したように、まずは自社の状況を「見える化」することが重要になります。電気・ガス・水道などの使用量を前年・前月などと確認・比較すると、使用料の違いも見えてきます。
例えば電気の場合、検針票を詳しく見てみると、エアコン・エレベータ・商業用冷凍・冷蔵庫などで使用する「低圧電力」、照明やコンセントを使用した機器などで使用する「従量電灯」など、使われている箇所ごとに確認することができるので、どこから節電に取り組むべきかがおのずと見えてくるかと思います。電力会社によってはネットで毎日の使用量が確認できるサービスを提供していることもあるので、それらを有効活用することもできます。

また、実際に専門の診断員が事業所を調査して、施設のエネルギー使用状況を評価し、効率的なエネルギー管理やコスト削減のための改善策を提案してくれる「省エネルギー診断(省エネ診断)」を利用するのも有効な手段のひとつです。詳しいことは無料ダウンロードできる資料をご覧ください。

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店舗でどんな節電ができるのか実例をチェック!
続いては、小売店舗での実際の節電/脱炭素対策を見ていきたいと思います。小売店舗では照明、空調、冷凍・冷蔵庫などが主な対象になってきます。
照明の節電対策

照明器具のこまめな清掃
多くの人が活動している場所は汚れが溜まり照度が低下しやすい傾向にあります。こまめに掃除して明るさをキープするようにすれば、照明を間引くといった対策が取れるようになります。
床面や天井、壁面などの反射率を高める
反射率の高い白系の内装材を使うことで、少ない照明でも店内を明るくキープすることができます。また、掲示するポスターなども明るい色調にすることで同様の効果を得られる場合もあります。
自然光を取り入れて照明の代わりにする
逆に、ポスターや掲示物で窓を塞いでしまうことで日中の自然光を遮ってしまう場合もあります。適切に自然光を取り入れることで、照明だけに頼らない運営も可能です。
場所や時間に応じて照明を変える
一日を通して見てみると、意外とそこまで明るく照らさなくても良い場所や時間帯などが存在します。来客のピーク時以外は照度を下げて電力を抑えるなどの対策も節電に有効です。
LED照明などの省エネ照明器具に交換する
交換コストがかかるという点がありますが、従来の蛍光灯や白熱電球と比べて、LED照明は約1/3程度まで消費電力を抑えることが可能で、寿命が長いので交換頻度を減らすことができるので、長い目で見ると照明にかかるコストを削減することができます。
空調設備の節電対策

適切な温度設定や運転時間をキープ
適切な温度管理が重要になります。もちろんお客様や従業員が不快にならないことが大前提ですが、室内を冷やしすぎたり暖めすぎたりしないようにしましょう。一般的に、冷房温度を1℃上げることで約13%、暖房温度を1℃下げることで約10%の節電効果があるとも言われています。
送風機、扇風機を活用して店内空気を循環させる
扇風機やサーキュレーターなど、エアコンより消費電力の少ない機器を活用して、エアコンからの空気を無駄なく隅々まで運ぶようにすることで、エアコンの温度設定を極端な温度にすることなく、店内を快適な温度に保てます。
カーテンや断熱材などで外気の影響をシャットアウト
バックヤードなどの外とつながる通路にカーテンを設置したり、窓に遮熱フィルムを貼るなどすれば、外気温の影響を受けにくくなり、少ない電力消費で冷暖房を使用することができます。
こまめな掃除
空調機のフィルター、換気扇や空調ダクトなどに汚れが溜まると運転効率が低下し、エネルギーの無駄を生んでしまいます。日常的にこまめな掃除を行い、季節ごとなどで専門業者に依頼して掃除を行うと、さらなる節電が見込めます。
最新の空調設備を導入する
電化製品の省エネ性能は年を追うごとに向上しているので、長期の戦略として最新の空調設備に交換することも視野に入ります。10年以上前の製品と比較した場合、倍近く節電効果が見込める商品も登場しています。
冷凍・冷蔵の節電対策

カーテン付きの冷凍・冷蔵庫を使用する
冷凍・冷蔵庫も空調設備と同様に外気の影響を極力抑えることが節電の鍵になります。カーテンなどで外気が入らない/冷気が漏れないようにするととともに、開閉時間を短くすることも重要です。
庫内の商品配置を工夫する
冷気の吹き出し口を商品などで塞いでしまうとエネルギー効率が悪化します。また、よく出し入れする商品を庫内の奥にしまうなどすると、開閉時間が長くなってしまう可能性があります。上手に整理して無駄のない配置を目指しましょう。
周辺の温度上昇を防ぐ
冷凍・冷蔵庫本体の温度が上がると庫内の温度にも悪影響を与えます。直射日光が当たらないようにする、本体周りに荷物を置かないようにするなど、熱がこもりにくい状況を作ることが節電にもつながります。
CO2冷媒やインバーター制御など、省エネタイプの導入
空調設備と同様に、冷凍・冷蔵庫でも最新の機器の方が省エネ効率が高くなっています。既存の設備が古いものであれば、最新の機器に交換することも検討すべき節電対策になります。
節電/脱炭素対策は決して無駄にならない

小売業ではお客様に快適に過ごしてもらう、従業員の健康管理やモチベーションの維持といった事も重要な課題となるため、節電を行うのに困難なケースが存在することも避けられない事実としてあります。ただ、節電/脱炭素に取り組むことは、電気代やメンテナンス費用の削減といったコストカットだけでなく、環境への負荷を減らすとともにイメージアップや顧客満足度の向上といった経営効果も期待できます。
また、今回紹介した節電対策で機器の交換といったコストがかかるものについては、国や自治体などが環境対策を後押ししていることもあり、補助金や助成金制度を活用できる場合があります。
また、大型店であれば電気を購入するのではなく、太陽光発電設備を設置して自前で電気を作るという選択肢も出てきます。発電した電気を使うことは、電気代だけでなくCO2の排出量を大幅に削減できる可能性があります。太陽光発電には初期費用とメンテナンス費用をかけずに導入できる「PPAモデル」なども存在するので、検討の余地はあると思います。気になる方はぜひ無料の資料をダウンロードしてみてください。

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