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節電・省電力化

普及が進む「産業用蓄電池」の気になる寿命をチェック

いま注目を集める「産業用蓄電池」。蓄電池は災害などで停電してしまった際の予備電源として用いられてきましたが、現在は災害時だけではなく、普段の活動において電力使用量の分散に活用できると、多くの企業が導入などを進めています。

ただ、そこで気になるのが蓄電池の寿命です。「産業用蓄電池」も、基本的には私たちが普段使用している携帯電話のバッテリーなどと同じ仕組みの蓄電池なので、いつか寿命が来てしまいます。

そこで、この記事では気になる「産業用蓄電池」の寿命について着目してみたいと思います。

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そもそも蓄電池とは?

電気を貯め、繰り返し使用できる充電装置のことを蓄電池と呼び、充電池などと呼ばれることもあります。

基本的な仕組みとしては、プラス極とマイナス極、電解液で構成されていて、電子がこれらの極の間を移動することで電流が生じ、充電と放電が可能になります。

そして、どのような金属・電解液が用いられているのかでスペックが異なり、使用用途にも違いが見られます。それらのなかで、家庭用蓄電池の数倍~数十倍以上もの容量を備えているものが一般的に産業用蓄電池と呼ばれています。

気になる「産業用蓄電池」の寿命

容量が大きくなったとはいえ、産業用蓄電池にも寿命はあります。あくまで目安になりますが、以下から種類別の産業用蓄電池の寿命を説明します。

蓄電池の寿命の考え方

まず、蓄電池の寿命の考え方ですが、押さえておきたい基本があります。私たちの生活のなかで一番身近な蓄電池と言えば、スマートフォンのバッテリーがイメージしやすいと思いますが、多くの人が使い続けるうちに電池の持ちが悪くなったと感じると思います。

スマートフォンでも産業用蓄電池でも基本的には同じで、産業用蓄電池はスマートフォンのバッテリーより高性能で、劣化が進まないような設定が施されていますが、日々使用することで劣化し、持ちが悪くなっていきます。

そして、蓄電池の寿命は新品時の定格容量に対して、使用できる容量が〇〇%を下回った場合に「寿命が来た」と判断することを規定にしています。

つまり、数十年使い続けても劣化の程度がそこまで進んでいなければ「正常」として使い続けることができます。一方で、例えば容量が新品時に比べて半分以下まで低下した場合は「寿命が来た」と考えることができます。蓄電池においては「劣化の程度」が寿命になると考えてください。

サイクル回数

ただ、「劣化の程度」と言われても使用する側からすると、なかなかその詳細は掴みづらいものです。そこで、蓄電池の寿命を使用前に知る方法として、メーカーなどが「サイクル回数」という数字を設定しています。

サイクル回数とは、蓄電池の充電量0%の状態から満タンの100%まで充電して、その後、その電気を0%の状態になるまで使い切ったことを1サイクルとして数えた数字です。メーカーや商品によって異なりますが、公表されたサイクル回数を超えると容量が新品に比べて〇〇%低下して寿命を迎えることになり、このサイクル回数が寿命の目安のひとつとなります。

なお、注意すべき点として、実際の使用状況により設定されたサイクル回数未満でも寿命を迎えることもあり、その逆の場合もあります。また、産業用蓄電池が実際に0%まで放電することはほとんどないことにも注意が必要です。サイクル回数はあくまで寿命の目安ととらえておいてください。

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蓄電池の種類

先述の通り、蓄電池は仕様によってさまざまな種類が存在し、その用途も異なっています。

【現在使われている主な蓄電池の種類】

  • 鉛蓄電池
  • ニッケル水素電池
  • リチウムイオン電池
  • NAS電池

鉛蓄電池

最も古い歴史を持つ蓄電池で、エンジン駆動時の始動用バッテリーやゴルフカートや高所作業車の電動車両用バッテリーなどで使われています。原価の安い鉛が使用されているので比較的安価でというメリットがありますが、使い続けると充電性能が劣化して寿命が大幅に低下してしまうというデメリットを持っています。

ニッケル水素電池

長らく使われ続けてきた蓄電池で、その安定性や使いやすさで、携帯機器用の電池やハイブリッドカーの電池、乾電池型蓄電池として広く使用されています。ただ、部分放電を頻繁に繰り返すと、容量が失われてしまうメモリー効果が発生してしまうという弱点を持っています。

リチウムイオン電池

リチウムイオン電池はニッケル水素電池の弱点であったメモリー効果が発生しないため、何度も繰り返す充放電や満タン時の充電が多くなるノートパソコンやモバイル機器に最適として、現在では大多数のモバイル機器の充電池として利用されています。現在でも小型化と大容量化が進み続けています。

NAS電池

日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の電力貯蔵システムです。比較的安価ながら、これまでになかった大容量を蓄電できるというメリットはあるのですが、使用している部材が危険物指定されている点や、作業時に温度を300度に維持する必要があるというデメリットが存在します。

種類ごとの寿命の目安

あくまで目安ですが、蓄電池の種類ごとの一般的な寿命の目安をまとめてみました。

種類サイクル回数寿命目安
鉛蓄電池約3,150サイクル約15年
ニッケル水素電池約2,000回約5年~7年
リチウムイオン電池約4,000~12,000サイクル約10~30年
NAS電池約4,500サイクル約15年

先述の通り、メーカーや種類、実際の使用状況により寿命の目安は異なりますので、あくまで参考としてください。

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「産業用蓄電池」を上手に活用

産業用電池を導入することで、電力需要が低い時間帯に電力を蓄え、需要が高い時間帯に使って電力料金を削減することができたり、蓄電池から電力を供給することで、電力網の負荷を軽減して停電のリスクを低減するなど、自社にとってメリットとなる部分も多くあります。

さまざまな種類の産業用蓄電池が存在する中から、自社の運営にあったタイプを選択することが重要になります。

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脱炭素LABO編集部

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