ご家庭だけでなく企業にとっても電気料金の高騰が懸念されている昨今。なかでも工場経営では規模を問わず電気使用量の大きい機器の稼働によって経営に直接的な影響を与えるため、喫緊の課題となっています。
そこでこの記事では、工場経営者が今すぐ実践できる節電工事や具体的な対策について解説します。今すぐ実施できる工事例もあるので、ぜひ電気代対策の参考にしてください。
工場の電力使用量
工場の電力使用量は、工場の種類や規模によって大きく異なります。主な電力消費源としては生産設備が一般的であり、規模によっては年間で数百万kWhから数千万kWhもの電力を消費することも。こうした情報をベースに節電対策を講じることが重要と言えるでしょう。
電力消費量の割合
コンプレッサーやボイラー、換気扇などを通年で稼働する工場の電力消費は、生産設備が約80％以上を占めていると言われています。
年間の電力消費量
具体的な消費量は業種や規模によって変動しますが、一般的な製造業では年間の電力消費量は数百万kWhから数千万kWhに達することも。例えば食品工場や自動車工場の比較では、電力使用量が大きく変動します。
食品工場では電力消費の冷凍・冷蔵設備、調理機器、包装機械などによる電力消費が80％、残りの20％は空調設備や照明器具によるものです。なかでも冷却が必要な食品工場では、冷却設備の電力消費が大きな割合を占めます。小規模な食品工場では年間約100万kWh、大規模な工場では数千万kWhを消費することが一般的です。
自動車工場でも約80％が生産設備によるもので、ロボットアームや溶接機、塗装設備などが含まれます。残りの20％も同じく空調設備や照明器具が占めていますが、広大な工場内の温度管理や照明の効率化はかなり重要になってきます。なお、大規模な自動車工場では年間の電力消費が約5,000万kWhから1億kWhを超えることもあります。
今すぐ実施できる工場の節電対策
次に、今すぐ実施できる工場の節電対策を紹介します。
【今すぐ実施できる工場の節電対策】
- LED照明やセンサー照明の導入
- 空調の効率化
- 生産設備の最適化
- プロセスの改善
- 従業員の意識向上
LED照明やセンサー照明の導入
従来の蛍光灯や白熱灯からLEDに替えることで、消費電力を大幅に削減することが可能になります。LEDは寿命も長く、メンテナンスコストも低減します。また、人がいないときに自動で消灯するセンサーを導入することで、無駄な電力消費をカットできます。
空調の効率化
空調の設定温度を夏は28度、冬は20度を目安に設定することでエネルギー消費を抑えられます。フィルターの清掃や点検も定期的に行い、空調機器の効率を維持しましょう。また、導入コストはかかりますが、空調の出力制御システムを導入することで電力消費の更なる削減が可能になります。
生産設備の最適化
生産設備の稼働時間を見直し、必要なときだけ稼働させることで電力消費の削減が期待できます。新しい機器を導入することを検討されていれば、エネルギー効率の高いモデルを選びましょう。
プロセスの改善
作業工程など生産プロセスを見直すことでも、全体のエネルギー消費量減少に効果があります。エネルギー管理システムを導入し使用状況をリアルタイムで把握すれば、無駄な工程が見つけやすくなります。
従業員の意識向上
従業員一人ひとりに節電の重要性を訴え、日常的に意識してもらいましょう。節電促進キャンペーンを社内で行うことも効果的です。
工場では節電工事によって改善できるポイントが多い
大型機器を日夜稼働させることが多い工場では、照明の見直しや空調の効率化、生産設備の最適化など、様々な節電対策が可能です。これらの対策を実施することで電力使用量を削減し、即時にコストを抑えることができるので、今すぐできる対策を取り入れて持続可能な工場経営を目指しましょう。
