いま注目の「PPA」導入方法は？具体例を紹介

電気代の高騰が懸念される昨今、再生可能エネルギーの導入促進や環境への配慮、経済的メリットなど様々な理由から、「PPA（Power Purchase Agreement／電力販売契約）」が注目されています。

この記事では、今後ますます重要な選択肢となるであろうPPAの導入方法と具体例を解説していきます。

PPAの導入に興味のある法人の方はぜひご参考ください。

PPA導入のための基本手順

PPAとは、発電事業者（PPA事業者）が太陽光発電などの設備を設置し、契約企業（電力需要家）はそこで発電した電力を使用するというもの。そのため契約企業は初期投資が不要で、契約モデルによっては大型設備の設置場所問題もクリアでき、かつ長期的に安定した電力供給が期待できます。

以下に、PPA導入のファーストステップから運用・管理までを解説します。

ニーズの分析

PPAを導入する前に、まず自社のエネルギー需要を分析し必要な電力量を明確にしましょう（過去の電力使用量のデータを基にした予測を含む）。

また、再生可能エネルギーの市場動向や政策の変化を考慮し、PPAの導入が自社にもたらすメリットを評価します。

発電事業者の比較・選定

発電事業者を選定する際には、信頼性やコストに加え、技術力や過去の実績などを基準にします。中でも再生可能エネルギーの発電能力や契約条件を重視しましょう。

そのうえで各事業者が提供する契約条件（価格や契約期間、供給の安定性など）を比較し、自社のニーズに最も合致する事業者を選定しましょう。

設置場所の選定

設置場所は日照条件や風速、土地の利用可能性など、発電効率に影響を与える要因を考慮して選定します。

敷地内設置型のオンサイトPPAの場合、設置条件等の制約がないかを事前に確認しておきましょう。また環境への影響に加え、地域の規制やコミュニティの意見を考慮することも重要です。

契約の締結

契約書に、電力の供給条件、価格、契約期間、違約金などが明記されているかと確認します。これらの内容を詳細に確認し、必要に応じて法的なアドバイスを受けることも考慮しましょう。すべての関係者が合意した上で契約を締結し、契約後の運用に向けた準備を進めます。

運用と管理

PPA契約に基づく発電所の運用状況を定期的にモニタリングし、発電量やコストの管理を行います。これにより、契約条件に従った運用が行われているかを確認します。

PPA導入によるコスト削減事例

次に、PPAを導入しコストカットに成功した企業の事例を複数紹介します。

製造業（某自動車部品メーカー）の事例

この自動車部品メーカーでは、PPAを通じて大規模な太陽光発電を導入することで電力コストを大幅に削減。CO2排出量も大幅に減少しました。

小売業（某大手小売業）の事例

敷地外設置型のオフサイトPPAを契約。再生可能エネルギーを購入して電力単価を抑えつつ、持続可能なエネルギーの利用を促進しました。

中小企業（某製造業）の事例

こちらはPPAを利用することで初期投資を抑え、長期的な電力コストの安定化を重視しました。

PPA導入でコスト削減＋αの成果を実現

多くの企業がPPAを導入することでコスト削減＋αの成果を実現しています。特に製造業や小売業では具体的な数値でのコスト削減が報告されており、再生可能エネルギーの導入が経済的にも環境的にも有益であることが示されています。そうした様々な観点から、今後PPAは企業経営における重要な選択肢の一つになるでしょう。