電気料金の削減や自然環境への配慮などから、マンションやアパートなどの集合住宅に太陽光発電システムの導入を検討しているオーナーが増えています。
しかしながら、導入することで得ることができるメリットは分かっていても、導入までに立ちふさがるハードルは意外と知られていないかもしれません。
そこで、本記事では導入までにクリアしなければいけないハードルを確認しつつ、そのハードルをどうすれば下げることができるのか、確認してみたいと思います。
マンション・アパートに太陽光導入のメリット
まずはマンション・アパートに太陽光を導入した際のメリットをおさらいしてみます。ざっと並べただけでも以下のようなメリットが考えられるのではないでしょうか。
- マンション・アパートの空きスペースを活用
- 共有部分の電力をまかなう
- 売電によっての収益性が高くなる
- 緊急時の非常用電源として利用
- マンション・アパートに付加価値が付く
マンション・アパートの空きスペースを活用
安全面を考慮して、基本的に屋上や屋根は開放せずに立ち入り禁止になっているのが一般的だと思います。その広いスペースを「何もない場所」ではなく、電気を作る場所として有効活用することができます。
また、屋根の上に太陽光パネルを設置すると、強い日差しを遮る傘のような役割を果たすので、屋根の劣化を抑えることができるという、副次的なメリットもあります。
共有部分の電力をまかなう
エレベーターや廊下の照明など、共有部分の設備は基本的には24時間稼働しているので、常に電気を使うことになります。太陽光発電を導入することで、共用部分で使う電力の一部をまかなうことができて、電気代の節約につながります。
売電によっての収益性が高くなる
立地条件などの外部要因による影響が大きくなりますが、うまく発電できて使用する以上の発電量を得られる場合は、余った電力を売って収益とすることができます。すべての条件がうまく整った場合という前提条件が付きますが、売電による収入は家賃収入と並ぶ安定した収入源になる可能性を秘めています。
非常用電源として利用
万が一、停電となってしまった場合でも太陽光発電設備があれば電気を使用することができます。特に蓄電池などを合わせて使うようにすれば、災害時や緊急事態においても、最低限の電力はまかなえるようになり、住民の安全と快適な生活の下支えとなります。
付加価値が付く
世界的に求められる環境問題対策から、入居希望者も自然環境に配慮したマンション・アパートを求めていると言えます。二酸化炭素を発生させずに電力を作ることができる太陽光発電は、環境意識の高い入居希望者へのPRにもなります。
太陽光のために越えるべきハードル
貸し手にも借り手にもメリットが望めるアパート・マンションへの太陽光発電導入ですが、決めたその日からすぐに! という訳にはいきません。導入までにはクリアしなければいけないハードルが存在します。
周囲の環境を確認
効率的な発電がおこなえる立地であるか、屋根の形が太陽光発電に向いているかどうかなど、まずは建物の状況を確認しなければいけません。また、周辺環境に影響を与えないかなど、ご近所への配慮も忘れるわけにはいきません。
太陽光でできる範囲を知る
新築マンションの場合、最初から太陽光発電を導入すると決めていれば全世帯に電気を供給する方法を検討することもできると思います。しかし、既存の建物に後から導入する場合、設置するスペースや周辺環境との兼ね合いもあり、全世帯に供給するだけの電気を太陽光で発電するのは現実的ではありません。太陽光発電だけではすべての電力をまかなえるわけではないことを理解し、電力会社からの購入とのバランスを見る必要があります。
売電目的なら発電量の3割は共用部分で使うこと
意外と知られていないかもしれませんが、発電した電気を売ろうと考えた場合、2020年度の固定価格買取制度(FIT)の改正で、発電した電気の30%以上を自家消費(10kW以上50kW未満の太陽光発電システムの場合)しなければいけなくなりました。
全世帯に電気を供給するようにすれば30%以上は難しくない数字ですが、各家庭で使わず、売電だけを目的とした場合は共用部分だけで30%以上使っているという前提が必要になります。

居住者の承諾を得る
新築の場合はあらかじめ太陽光発電システムを設置することを前提に設計・開発を進めるので大きな問題はないかと思います。また、賃貸の場合も居住者に確認を取っておくべきですが、基本的にはオーナーの判断で設置できると思います。大変なのは分譲です。分譲は区分所有権になるので、マンションの部屋の数だけ所有者がいることになり、建物の屋根などの共用部に太陽光発電システムを設置する場合は、法律により全戸数の4分の3以上の賛成が必要になります。
初期費用が掛かる
太陽光発電を導入する際、初期費用が高額になってしまうことは否めません。設置費用は、数百万円から数千万円に及ぶことが一般的です。特に分譲の場合、居住者全体で費用を負担する形になることが多く、これにより「全戸数の4分の3以上の賛成」というハードルはさらに高くなってしまう事でしょう。
また、メンテナンス費用や修繕費がかかることも忘れてはいけません。初期費用だけでなく長期的なランニングコストも越えなければいけないハードルです。
ハードルをグンと下げてくれるPPAモデル
太陽光発電の導入に向けて順にハードルをクリアして来て、最後に立ちはだかるのは、やはり費用面だと思います。低コストで導入することができれば付随してクリアできるハードルもあると思います。そんな時に検討してほしいのが、PPAモデルを利用した太陽光発電の導入です。
PPA(Power Purchase Agreement)とは「電力販売契約」のことで、太陽光発電設備の所有や管理を行う専門会社(PPA事業者)と契約することで、PPA事業者がアパート・マンション内のスペースに発電設備を設置してくれ、そこで発電された電力を有償で使用する仕組みです。
PPAモデルでは、太陽光発電設備を事業者負担で設置するので高額な初期費用が掛かりません。また、太陽光発電設備そのものはPPA事業者が所有するものになるので、メンテナンスや修理もすべてPPA事業者が行い、ランニングコストがかかりません。
費用面でのハードルをグンと下げてくれる「太陽光発電PPA」の無料資料がダウンロードできますので、ぜひこちらもご活用ください。