少子高齢化によって高齢者人口が増え、身近な施設になった介護施設ですが、近年の電気代の高騰によって経営状況が悪化している事業者が少なくありません。
そこで注目されているのが太陽光発電です。電気代を削減するとともに、居住者の環境を改善することができます。
この記事では、介護施設・老人ホームに太陽光発電を導入するメリット・注意点を解説します。
グループホームなどの介護施設を運営している介護事業者の方は、ぜひご参考ください。
介護施設に太陽光発電を導入するメリット
介護施設に太陽光発電を導入することには多くのメリットがありますので解説していきます。
【介護施設に太陽光発電を導入するメリット】
- 電気代を削減できる
- 断熱効果で居住環境を改善できる
- 非常時の電力として活用できる
- 補助金を活用できる
電気代を削減できる
太陽光発電を介護施設に導入することで、毎月の電気代を大幅に削減することが可能です。特に電力を多く消費する施設では、その経済効果は顕著に発揮されるでしょう。
原発問題や再エネ賦課金の上昇などによって、電気料金の高騰は今後も続いていく可能性が高いです。そのようななかで、太陽光発電によって自前で発電して、自家消費する方が経費削減につながる可能性が高いと言えます。
また、余剰電力は電力会社に売電することも可能であり、収益を得ることもできます。これにより、運営コストの大幅な節約が期待できるでしょう。
断熱効果で居住環境を改善できる
太陽光パネルの設置には断熱効果が期待できるため、直射日光が建物内部に届くのを防ぎ、室内温度を低く保つことができます。
夏の暑い時期に冷房を常時使用すると電気代が高くなってしまいますが、断熱効果によって冷房の使用量も減らすことができるでしょう。
夏場のエアコン使用量を減らし、冬場でも断熱効果により暖房効率が向上するため、一年を通じてエネルギーコストの削減が期待できます。
環境省のサイトに掲載されている事例によると、太陽光パネルを設置する前後では、設置後の方が快適性が向上していることが記載されています。
参考:環境省 デコ活|太陽光パネルを屋根に設置して快適に!発電のほか、暑さ対策も
非常時の電力として活用できる
太陽光発電システムは、非常時の電力供給源としても役立ちます。天候や災害によって電力供給が停止した際にも、自家発電した電力を利用することができるのです。
特に介護施設では、電力が途絶えることによる健康リスクを最小限に抑えることが不可欠です。このため、太陽光発電システムは非常時の備えとして機能すると言えます。
補助金を活用できる
太陽光発電の導入には、国や自治体からの補助金を活用することができるため、初期費用の負担を軽減することが可能です。
具体的な制度については、地域ごとに異なるので事前に調査が必要ですが、補助金によって施設の負担を大いに軽減することができるでしょう。
介護施設に太陽光発電を導入する際の注意点

介護施設に太陽光発電システムを導入するには、いくつかの重要な注意点があります。
【介護施設に太陽光発電を導入する際の注意点】
- 過度な電気代削減は環境悪化の原因になる
- 太陽光発電にかかる費用を考慮する
過度な電気代削減は環境悪化の原因になる
過度な電力コスト削減は魅力的に思えるかもしれませんが、居住者環境に対してマイナスの影響を与えることもあります。
例えば、古い太陽光パネルの廃棄やリサイクルにかかる環境負担、土地の過度な利用などが挙げられます。さらに、メンテナンスや運用が不十分な場合、設備の劣化が早まり、交換や修理が頻繁に必要になることで環境への負荷が増えてしまうこともあるでしょう。
電気代を気にして過度に使用電気量を削減してしまうと、居住者の環境悪化という本末転倒な結果になってしまうので、使用する電力はバランスよく保つようにしましょう。
太陽光発電にかかる費用を考慮する
太陽光発電システムの導入には、初期費用だけでなく、長期的なコストも考慮する必要があります。
初期費用にはパネル本体や設置工事費用が含まれますが、加えて定期的なメンテナンス費用や将来的な設備更新費用も見込んでおく必要があるでしょう。
電力の売電収入や補助金、減税制度なども総合的に検討し、コストパフォーマンスを十分に評価することが求められます。予算管理をしっかりと行い、適切な投資判断を下すことが施設運営のポイントです。
太陽光発電で介護施設の環境・収益性の改善を目指そう
太陽光発電の導入は、介護施設の環境負荷軽減と経済的利益の両立を目指す上で非常に有効な手段です。再生可能エネルギーの利用は、施設のエコフレンドリーなイメージ向上にも寄与します。
さらに、自家発電による電力供給は、外部からの電力依存を減少させ、長期的には運営コストの削減にもなります。持続可能な未来を見据え、太陽光発電を積極的に取り入れることで、介護施設の新たな価値を創造しましょう。