実は夏よりも冬のほうが、電気代が高くなる傾向があるということはご存じですか? 暖房器具や加湿器といった電力消費の大きい機器の使用が増える、日照時間が短いので照明の使用時間が延びる、室内外の気温差が大きいため室温を適温まで上げるために多くのエネルギーが必要となるなどが主な理由です。
さらに、政府による電気代補助制度が2025年秋をもって終了したため、これまで補助によって抑えられていた分の負担が企業にのしかかることになり、特に電力消費量の多い製造業や小売業、飲食業などでは、コスト増加が経営に直接影響を及ぼす可能性があります。
このような状況下で、中小企業が電気代高騰のリスクに備えるためには、自社での電力確保や省エネ対策を早急に検討する必要があります。そこでおすすめなのが、太陽光発電システムの導入です。
太陽光発電システム導入による電気代削減効果
太陽光発電システムの導入は、電気代削減の有効な手段となります。
例えば、延床面積1,000平方メートル程度の中規模オフィスビルに50kWの太陽光発電システムを設置した場合、年間発電量は約50,000kWhとなります。電気料金単価を1kWhあたり25円として計算すると、年間で約125万円の電気代削減が見込めます。初期投資を考慮しても、10年から15年程度で投資回収が可能となるケースが多く見られます。
初期投資が難しい場合は太陽光PPAの活用を
自社で太陽光発電システムを購入・設置することが資金面で難しい場合には、太陽光PPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)の利用がおすすめです。
太陽光PPAとは、PPA事業者が企業の屋根や敷地に太陽光発電設備を無償で設置し、発電した電力を企業が購入する仕組みです。初期投資がゼロで太陽光発電を導入できるため、設備投資の資金を確保しにくい中小企業にとって非常に魅力的な選択肢となっています。
PPAを利用する最大のメリットは、初期費用の負担なしに太陽光発電の恩恵を受けられることです。設備の所有権はPPA事業者にあるため、メンテナンスや管理の責任も事業者側が負います。企業は発電された電力を市場価格よりも安い料金で購入できるため、すぐに電気代削減効果を実感できます。
契約期間は通常10年から20年程度で、契約終了後には設備を無償で譲り受けることができるケースも多く、長期的な視点で見ても有利な選択肢と言えます。
2026年度から始まる新たな義務化
太陽光発電の導入を検討する上で、もう一つ重要なポイントがあります。経済産業省は2026年度から、化石燃料の利用が多い工場や店舗を持つ約1万2000事業者に対して、屋根置き太陽光パネルの導入目標の策定を義務づける方針を発表しています。
これは2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みの一環であり、エネルギー多消費型の事業者には具体的な再生可能エネルギー導入計画の提出が求められることになります。対象となる事業者は、今後数年以内に太陽光発電の導入を進めなければならない状況となるため、早めの検討と準備が必要です。
義務化の対象外であっても、今後はサプライチェーン全体での脱炭素化の要請が強まることが予想されます。取引先企業から再生可能エネルギーの利用状況について報告を求められるケースも増えており、太陽光発電の導入は電気代削減だけでなく、ビジネス上の競争力を維持する観点からも重要な投資となります。
早めの導入で電気代を節約しよう
冬場の電気代高騰と政府補助の終了により、企業の電力コスト負担は今後ますます増大することが予想されます。太陽光発電システムの導入は、長期的な視点で電気代を削減し、経営の安定化を図る有効な手段です。初期投資が難しい場合でも太陽光PPAという選択肢があり、多くの中小企業が実際に導入を進めています。
また、2026年度からの義務化を見据えると、早期の検討開始が望ましいと言えます。下記の資料では、太陽光発電システムを安価に導入するためのノウハウや、具体的な導入事例、補助金制度の活用方法など、実践的な情報を詳しく記載しています。ぜひダウンロードして、貴社の太陽光発電導入の検討にお役立てください。

