電気代年間1200万円削減も！中小企業が太陽光発電で大成功した理由

電気代の高騰が止まらない今、「太陽光発電って実際どうなの？」と気を揉んでいる経営者の方も多いのではないでしょうか。じつは太陽光発電といっても、住宅の屋根に載せるものからメガソーラーのように巨大なものまで、かなり幅広いんです。

もちろん企業の規模や業種によって、ベストな選択肢も異なるでしょう。ということでこの記事では、太陽光発電の種類と規模感をわかりやすく整理しつつ、実際に導入してコスト削減やマネタイズを成功させた企業の事例を紹介します。

太陽光発電の種類・規模別導入ガイド

太陽光発電には、どんな種類があるのか？ まずは規模別に分けてみましょう。

小規模システム（10kW未満）

いわゆる住宅用サイズで、小さな町工場や個人商店でも導入しやすい規模になります。初期費用もそれほど重くなく、余った電気は電力会社に売ることもできます。

中規模システム（10kW〜1MW未満）

工場の屋根や倉庫にちょうどいいサイズ。基本的には自社で使用する電気をまかない、余った電力を売ることも可能です。

大規模システム（1MW以上）

いわゆるメガソーラーと呼ばれるもの。大企業や土地を多く保有している企業向けと言えます。発電事業として本格的に電売することも可能な規模になります。

設置場所でも選択肢いろいろ！

屋根設置型

もっともオーソドックスなもの。工場や倉庫の大きな屋根を活用することが出来ます。新たに土地を用意する必要もなく、デッドスペースの有効活用にもなります。

地上設置型

使用していない土地や駐車場がある企業向け。パネルの角度や向きを自由に調整できるから効率もいいし、メンテナンスもラクです。

水上設置型（フロート型）

近年注目されている新しいタイプ。池や調整池を保有していれば検討の価値ありです。水面の冷却効果で発電効率がアップするのも高ポイントです。

実際に導入した企業は？ 成功事例をチェック！

製造業A社（従業員50名）の場合

栃木県の精密部品メーカーA社は、工場の屋根に200kWのシステムを設置しました。年間で約25万kWを発電し、なんと電気代を年間500万円も削減。初期投資2,000万円は8年で回収予定とのことです。環境にも優しく、経営効率もアップと、まさに一石二鳥の取り組みです。

物流業B社（従業員120名）の場合

埼玉県で物流センターを運営するB社は、倉庫の屋根に500kWの大型システムを導入。24時間フル稼働の冷凍・冷蔵設備の電気をまかない、年間1,200万円の電気代カットを実現しました。しかもこれが決め手となり、環境意識の高い取引先から新規受注もあったそうです。

食品加工業C社（従業員80名）の場合

愛知県の食品加工会社C社は、工場屋根と隣接する駐車場に合計300kWのシステムを設置。昼間の製造ラインで消費する電力のほぼ100%を太陽光でまかなえるようになりました。年間削減額は約700万円。さらに、取引先のスーパーチェーンから「環境配慮企業」として優遇される契約条件を獲得し、売上アップにも貢献しています。

建設業D社（従業員60名）の場合

千葉県の建設会社D社は、資材置き場の上に150kWのシステムを設置。建設現場での電動工具や仮設事務所の電力として活用し、年間300万円のコスト削減を達成。災害時の非常用電源としても機能するため、地域からの信頼度もアップしました。

導入前にチェックしておきたいポイント

現実的な予算：何年で回収できる？

太陽光発電の投資効果を正しく判断するには、初期費用、年間発電量、電気代削減効果、売電収入、メンテナンス費用をしっかり計算することが重要です。前述した事例を見ても、おおよそ10～15年で初期投資を回収できているケースが多いので、システムの耐用年数を17年と考えればしっかり黒字になる計算です。

環境への取り組みが思わぬビジネスチャンスに

近年は「脱炭素」「カーボンニュートラル」といった言葉をよく耳にするかと思います。太陽光発電を導入すると、こうした環境への取り組みをアピールできるようになります。実際に上の事例でも、環境意識の高い取引先から評価されて新規事業につながるケースがありました。従業員のモチベーションアップにも効果があるようです。

技術的なことも忘れずに

屋根の強度や日当たり、電力会社との接続は問題ないかなど、技術的なチェックも重要です。最近では蓄電池とセットで導入する会社も増えています。昼間作った電気を夜に使用できれば、急な停電時にも安心です。

今が太陽光発電を始めるベストタイミング？

技術がますます進歩し設備の価格は年々下がっているうえに、発電効率は上がり続けています。政府の補助金や税制優遇も充実していて、導入しやすい環境が整っています。一方で電気代は上がる一方ですから、自社で発電できるようになれば、経営の安定性も高まるでしょう。

環境への取り組みは単なる社会貢献ではなく、競争力の源泉になってきています。太陽光発電ならばコスト削減と環境貢献の両方を同時に実現できますし、会社の規模や予算に合わせて柔軟に始められるのも魅力です。まずは現時点での電気代をチェックして、どのくらいの規模の太陽光発電が適しているか、検討してみませんか？