太陽光発電を導入すると電気料金を削減することができますが、電気代削減効果を高めるためには「自家消費率」を高めることが大切です。
本記事では、自家消費率の考え方や高める方法を解説します。
これから太陽光発電を検討されている方や、経費削減に興味のある企業の方はぜひご一読くださいませ。
太陽光発電の自家消費率とは？
太陽光発電の自家消費率とは、太陽光発電で生成された電力のうち、発電者自身で消費される割合を指します。
発電した電力量のうち家庭や施設内で利用されている割合を示しているため、自家消費率が高いほど電力会社からの電気料金が削減し、経費削減に貢献していることを意味しています。
自家消費率の平均
太陽光発電を導入している家庭や企業における自家消費率の平均は、一般的に約20%から30%程度と言われています。
ただし、この数値は電力の使用パターンやシステムの規模、天候などに大きく左右されます。例えば、企業でも昼間に多くの電力を消費する企業の場合、自家消費率が高くなる傾向にある一方で、家庭では夜間に電力を多く使うことが多いため自家消費率が低くなりがちです。
一般社団法人太陽光発電協会が公表しているデータによると、住宅の自家消費率は30%とされています。
本委員会でも検討されている通り、住宅の自家消費率は30％とされている。実際のZEHでの自家消費率を見ても、おおよそそのような数字になっている。
引用元：一般社団法人太陽光発電協会｜太陽光発電の状況
資源エネルギー庁が公表している試算によると、事業用太陽光の自家消費状況では、コンビニでは自家消費率78%、業務ビル・工場では自家消費率71%となっています。
条件や太陽光設備設置施設によっても変わりますが、太陽光発電の自家消費率の平均は居住用で30%、産業用で70%ほどだと認識しておくとよいでしょう。
自家消費率の重要性
太陽光発電の自家消費率が高いことは、電気代削減に直結します。
余剰電力の売電価格が下がる傾向にある中、自家消費率を上げることは経済的にも有利です。
また、エネルギーの地産地消を進めることで、エネルギーの供給安定や環境保護にも貢献することができます。
太陽光発電の自家消費率を上げる方法
次に、太陽光発電の自家消費率を上げる方法をお伝えします。
【太陽光発電の自家消費率を上げる方法】
- 電力使用状況を確認する
- 太陽光パネルの角度を最適化する
- 蓄電池を活用する
- 太陽光パネルを増設する
電力使用状況を確認する
太陽光発電の自家消費率を上げる方法としては、電力使用状況を正確に把握することが重要です。
どの時間帯にどれだけの電力が使われているかを確認することで、太陽光発電のピーク時に電力消費を集中させることができます。
例えば、昼間に電力を多く使う家電を運転するよう調整することで、自家消費率を向上させることができるでしょう。
太陽光パネルの角度を最適化する
太陽光パネルの設置角度を最適化することも、自家消費率を向上させる一つの方法です。
太陽光パネルを設置場所に合わせた最適な角度で設置することで、発電効率が最大化され、生成される電力量が増加します。
そのため、直射日光の当たる時間帯により多くの電力を得ることができ、発電効率が上昇する分自家消費の範囲を広げることができるのです。
蓄電池を活用する
発電した電力を無駄なく消費するためには、蓄電池の活用がとても有効です。
蓄電池を導入すれば、昼間発電された電力を蓄えることができ、夜間や曇りの日など電力が必要な時に使用できるため、自家消費率が大幅に向上し、電気代削減に大きく貢献するでしょう。
太陽光発電の導入にはさまざまな補助金が用意されていますが、太陽光パネルの購入費に加えて蓄電池の購入費用も対象となっている補助金も多いため、補助金を活用する場合は蓄電池の導入も検討するとよいでしょう。
太陽光発電の導入負担の軽減に活用できる補助金については下記の記事で詳しく解説しているので、併せてご参考ください。
太陽光パネルを増設する
太陽光パネルを増設することでも自家消費率を向上させることができます。
増設によって発電量が増えることで、電力消費のピーク時に対応しやすくなります。
さらに、大規模な太陽光発電システムを導入することで、余剰電力の売電も可能となり、電気代削減だけでなく売電収入を得ることができ、新たな収入源を獲得することにもつながります。
太陽光パネルを増設するメリット・注意点については下記の記事で詳しく解説しているので、併せてご参考ください。
自家消費率を高めて電気代を削減しよう
太陽光発電の自家消費率は、発電した電力をどれだけ自宅で消費できるかの指標です。この自家消費率を高めることで、電力の自給自足が可能となり、電気代の削減に繋がります。
まずは、電力使用状況を確認し、ピーク時に合わせて太陽光を活用することが効果的です。太陽光パネルの角度を最適化したり蓄電池を導入したりすることで、自家消費率をさらに上げることができます。状況に応じて太陽光パネルを増設することも視野に入れると良いでしょう。
太陽光発電システムを効果的に活用し、エネルギーコストを削減しながら環境にも優しい生活を目指しましょう。
