電気代の高騰が続いている中で、節電への関心を高めている方が多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、電気代が高騰する仕組みと企業や家庭が実行できる節電対策について解説します。
電気料金の高騰に対しての対策方法を探している方は、ぜひご参考くださいませ。
電気代の仕組み
電気代は基本料金、電力量料金、再エネ賦課金の3つの要素から構成されています。ここでは、それぞれの料金がどのように計算されるのかを詳しく見ていきましょう。
【電気料金の仕組み】
電気料金=基本料金+電力量料金+再エネ賦課金
基本料金
基本料金とは、電力会社が設定する月ごとに一定額が請求される固定料金です。
基本料金にはアンペア制と最低料金制があり、アンペア制は契約するアンペア数が上がるほど基本料金が上がる仕組みであり、最低料金制はアンペア数に関係なく基本料金が一定になる仕組みです。
基本料金は電気を全く使わなくても発生するため、見直しが難しい部分です。しかし、自宅や企業の実際の利用状況に合わせて契約内容を適切にすることで、無駄なコストを削減できる可能性があります。
電力量料金
電力量料金は、1か月に使用した電気の量に応じて変動する部分です。
電気をたくさん使えば使うほど料金も高くなります。電力量料金は通常、1kWh(キロワットアワー)あたりの単価が設定されており、以下の式で計算されます。
電力量料金 = 電力量料金単価 × 使用電力量 ± 燃料費調整単価 × 使用電力量
電力量料金単価は使用量に応じて段階的に高くなることがあり、多くの電力会社で三段階料金制が採用されています。
また、燃料費調整単価は過去数ヶ月の燃料価格に基づいて調整されるため、毎月変動します。再生可能エネルギー発電促進賦課金も含まれる場合がありますので、各社の詳細を確認することが重要です。
再エネ賦課金
再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)は、再生可能エネルギーの導入を促進するための費用を分担するための料金です。
この賦課金は、電力使用量に応じて加算されます。
再エネ賦課金 = 再エネ賦課金単価 × 使用電力量
再エネ賦課金単価は国が年度ごとに設定し、そのため毎年変動します。この単価は再生可能エネルギー普及の進捗や政策により上下しますが、消費者が個別にコントロールできるものではありません。
そのため、使用電力量を削減することがこの賦課金を抑える唯一の方法です。
2024年7月の電気代の高騰
2024年7月は、多くの家庭と企業の電気代が高騰しています。これは、政府の「電気・ガス価格激変緩和措置」が終了した影響もあり、大手電力会社が一斉に電気料金を見直したためです。
電気・ガス価格激変緩和措置:電気・都市ガス料金の値上がりによって影響を受ける家計や企業の負担を軽減することを目的に、小売事業者等を通じて電気・都市ガスの使用量に応じた料金の値引き支援を行うものです。
特に東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bプランでは、前月比で約392円の値上がりが報告されています。
電気代が高騰している理由
2024年7月現在、電気代はさらに高騰していることが話題となっています。
電気代高騰は一時的なものではなく、下記に説明する要因によって長期化すると言われています。
【電気代が高騰している理由】
- 国内電力の供給が不足している
- 燃料価格が高騰している
- 再エネ賦課金が値上げしている
国内電力の供給が不足している
国内の電力供給不足が電気代高騰の原因の一つです。
東日本大震災による原子力発電所の停止や、安全基準の強化による他の原子炉の停止が継続しているため火力発電に頼らざるを得なくなり、燃料費の影響が直に電気代に反映されています。
電力供給の安定化を図るためには再生可能エネルギーの利用拡大と原子力発電の再稼働が求められていますが、再稼働は決定していないため、いましばらくは供給不足が続くでしょう。
燃料価格が高騰している
燃料費の高騰も、電気代高騰の大きな要因です。特に天然ガスや石炭などの燃料価格は、国際市場の動向に大きく左右されます。
最近ではロシアのウクライナ侵攻による世界的なエネルギー供給のひっ迫、円安による輸入コストの上昇などが影響しています。
燃料費の上昇は、電力会社のコスト増加に直結し、最終的には電気代に反映されてしまう要因となるでしょう。
再エネ賦課金が値上げしている
再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)も再度の値上げが実施され、これが電気代の高騰に拍車をかけています。
再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度に基づき、消費者が負担する形で電力会社に収入を提供するものです。
この賦課金の値上げは、再生可能エネルギーの導入を促進する一方で、消費者の負担が増える形となっています。
電気代が高騰しているなかで実施できる節電対策
電気代の値上がりが予想される中で、どのように効率的にエネルギーを使用できるかを考えることが重要です。
ここでは、実施すべき効果的な節電対策を紹介します。
【電気代が高騰しているなかで実施できる節電対策】
- 電力会社やプランを切り替える
- 省エネ性能が高い家電製品に切り替える
- 太陽光発電・蓄電池を導入する
- 節電意識を高める
電力会社やプランを切り替える
電気代を抑えるための第一歩は、電力会社や契約プランの見直しです。電力自由化が進んだ今、各家庭や企業に最適な料金プランを提供する多くの電力会社が存在します。
例えば、各種ポイント還元プランやグリーンエネルギーを活用したプランなど、自身のライフスタイルや営業活動に合った契約プランの選択が可能です。
オンラインの料金シミュレーションを利用し、自分に合った最適なプランを見つけることで、月々の電気代を大幅に削減できるケースもあります。
省エネ性能が高い家電製品に切り替える
省エネ性能の高い家電製品に切り替えることも、電気代の削減に大きな効果を期待できるでしょう。
最新の家電製品はエネルギー消費効率が高い設計がされており、特に冷蔵庫やエアコン、照明器具など、日常生活で頻繁に使用するものは省エネ性能を重視して選びましょう。
初期投資はかかるかもしれませんが、長期的には電気代が節約できるため、省エネ性能の高い製品の購入・導入を検討してみることも大切です。
太陽光発電・蓄電池を導入する
再生可能エネルギーを活用するために、太陽光発電や蓄電池の導入を検討するのもひとつの方法です。
電力の自給自足を可能にすることで、電力会社に依存する割合を減らし、電気代の高騰を緩和する効果があります。
太陽光発電設備の導入費用は比較的高額ですが、政府の補助金制度や税制優遇制度を利用することで、経済的な負担を軽減することができます。
太陽光発電の導入に利用できる補助金について下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひご参考にしてください。
節電意識を高める
日常の生活の中で節電意識を高めることも重要です。
例えば、使わない家電はコンセントを抜く、エアコンの設定温度を調整する、エコモードを活用するなど、小さな節電行動の積み重ねが大きな節電効果を生み出します。
家族や社員の皆で節電の意識を共有し、無駄なエネルギー消費を抑えるように努力することで、全体での電気代を減らすことができます。
節電対策を行って電気代高騰に備えよう
電気代高騰の時代において、効果的な節電対策を実施することがますます重要です。
電力会社やプランの見直し、省エネ家電の導入、再生可能エネルギーの活用、そして日常の節電意識を高めることが、電気代の上昇を抑えるための鍵となります。
電気代などの光熱費について何か対策を打ちたい企業様は、「脱炭素LABO」にお気軽にお問い合わせください。
節電シミュレーションから最適な補助金活用プランまで幅広くサポートさせていただきます。