電気代の高騰対策や環境配慮のために太陽光発電の導入を検討している企業も多いと思いますが、導入にかかる初期費用とともに、維持していくためのメンテナンス費用も忘れてはいけない検討要素です。
太陽光発電を長く使い続けるためには設備のメンテナンス・保守点検は欠かせない要素のひとつであり、改正FIT法により法律でも義務付けられています。
そこで今回は、太陽光発電設備のメンテナンスの種類や内容、費用感を紹介しつつ、ランニングコストをかけずに太陽光発電を導入する方法をまとめてみました。
メンテナンスが必要な理由
太陽光発電設備のメンテナンスが必要となる理由としては、主に以下の点が挙げられます。
- 発電量を維持し、長く使い続けるため
- 法律で義務化されているため
- 安全性を確保するため
発電量を維持し、長く使い続けるため
まずは太陽光発電設備の機能を維持するためという点があります。太陽光パネルの表面に砂やほこり、枯葉などの異物が付着すると発電効率が悪くなり、発電量が低下してしまいます。定期的な清掃などが高い発電率を維持するうえで重要となってきます。
また、定期的にメンテナンスを行うことは早期の不具合や故障の発見につながります。早めに対処することで非効率な発電を行うことを回避でき、結果として、設備全体の寿命を延ばすことになります。
法律で義務化されているため
意外と知られていないかもしれませんが、太陽光発電設備のメンテナンスは法律で義務付けられています。発電出力が50kW未満で固定価格買取制度(FIT制度)を利用しない場合はメンテナンスの義務は必要ありませんが、企業で設置する場合はおおむね50kW以上になると思いますので、メンテナンスは必須であると考えて間違いありません。
ちなみに、メンテナンスを行わなかった場合は、行政からの指導、改善命令、認定の取り消し等の処分が課される可能性があるので注意が必要です。
安全性を確保するため
メンテナンス不足で太陽光パネル固定のゆるみに気づかず、強風でパネルが飛んでしまって事故を起こす。また、破損した太陽光パネルからの出火やケーブルなどからの漏電など、メンテナンスを怠ると、自社のみならず他社に危害や損害を与えてしまうリスクが高まります。そのような懸念を少しでも減らすためにも、定期的なメンテナンスは欠かせません。
メンテナンス頻度は?
必要なメンテナンスをどの程度の間隔で行うべきなのか。「一般社団法人 太陽光発電協会」によると、発電出力が50kW未満で主に小規模な工場、事務所などに設置される「低圧連系」で4年に1回以上の定期点検が必要。
発電出力が50kW以上で学校や工場などで大規模に設置される「高圧連系」では、2ヶ月~6ヶ月に1回の受変電設備の点検、6ヶ月に1回はパネル及びパワーコンディショナの点検が必要とされています。
参考:一般社団法人 太陽光発電協会|よくあるご質問「メンテナンスや点検はどうすればいいですか?」
ただし、上記についてはあくまでも目安であり、屋外に太陽光発電設備を設置している場合は雑草の処理など、季節によっては月に一度は必要となるケースも考えられます。状況に応じて対応することが必要不可欠です。
気になるメンテナンス費用は?
太陽光発電に関わるサービスを提供する複数の業者の料金を参考にすると、「低圧連系」で年平均10~15万円程度、「高圧連系」で年平均100~200万円程度が目安となってくるようです。ただ、人件費の高騰などが続いているので、今後のメンテナンス費用はさらに増していくと考えていた方がよいかと思います。
なお、これらはあくまでメンテナンスの費用であり、設備に故障などが発生した場合は、別途修理・交換のための費用が発生します。太陽光パネルの交換が必要となった場合、1枚あたり約5~15万円、パワーコンディショナーの交換は約10~30万円が相場となっているようです。

PPAモデルを活用してランニングコストをカット
電気代を削減して環境配慮にもなる太陽光発電ですが、ここまで紹介した通り、発電量を維持して長く使い続けるためには定期的なメンテナンスが必要であり、ランニングコストがかかることは避けられません。
そのような負担を軽減するために、PPAモデルを利用した太陽光発電の導入を検討してみるのはいかがでしょうか。PPA(Power Purchase Agreement)とは「電力販売契約」のことで、太陽光発電設備の所有や管理を行う専門会社(PPA事業者)と契約することで、PPA事業者が自社内のスペースに発電設備を設置してくれ、そこで発電された電力を有償で使用する仕組みです。
PPAモデルでは、太陽光発電設備は自社が保有しているのではなく、PPA事業者が保有していることになるので、メンテナンス費用については基本的にPPA事業者が負担することになります。また、太陽光発電設備を設置するための初期費用もPPA事業者が負担することになるので、導入へのハードルを大きく下げることができます。
太陽光発電PPAに関する無料の資料もダウンロードできますので、ぜひこちらもご活用ください。