「産業用蓄電池」はマスト施策？ 技術の進歩と具体的な導入ステップを紹介

近年、災害時などのバックアップ電源として注目を集めている蓄電池ですが、大規模工場などでも産業用蓄電池の導入が促進されています。また、昨今の技術の進歩もあり、導入が比較的容易になっています。

ということで今回は、産業用蓄電池の技術進歩や具体的な導入ステップについて解説します。

産業用蓄電池の技術の進歩

産業用蓄電池の技術は近年急速に進歩しており、さまざまな分野での応用が期待されています。

高エネルギー密度

新しい材料や設計により、リチウムイオン電池のエネルギー密度が向上しています。これにより、同じ体積でより多くのエネルギーを蓄えることが可能になっています。

サイクル寿命の延長

新しい電池管理技術や材料の改良により、蓄電池のサイクル寿命が延び、より長期間にわたって安定した性能を発揮できるようになっています。

効率的な充放電技術

AIやIoT（ネット連携したスマート技術）を活用した充放電管理システムが導入され、エネルギーの効率的な使用が実現。これにより、ピークシフトや需要応答が可能になります。

製造コストの低下

技術の進歩により、蓄電池の製造コストが低下し、導入がより経済的に実現可能になっています。これにより、産業用蓄電池の普及が加速しています。

産業用蓄電池の導入方法

次に、産業用蓄電池の導入方法について、具体的なステップや考慮すべきポイントを紹介します。

エネルギー使用状況の分析

企業のエネルギー消費パターンを把握し、蓄電池の必要性を評価します。特に、ピーク時の電力消費や再生可能エネルギーの利用状況を考慮しましょう。また、蓄電池導入の目的（コスト削減や環境負荷軽減、非常用電源の確保など）を明確にしておくことも重要です。

適切な蓄電池の選定

企業のニーズに応じた蓄電池の種類（リチウムイオン、鉛蓄電池など）や容量を選びます。他インフラと（太陽光発電など既存のエネルギーシステム）との連携を考慮し、システム全体の設計を行います。

導入計画の策定・予算確保

導入にかかるコストを見積もり、必要な資金を確保します。導入プロセスの各ステップに対してスケジュールのタイムラインを作成し、補助金や助成金の活用も検討しましょう。

施工業者の選定

過去の実績や技術力を確認しながら、蓄電池の設置を行う専門業者を選びます。施工業者との契約を結び、導入に向けた準備を進めます。

設置と運用

設置後は必ず専門業者によるシステムのテストを実施し、正常に稼働することを確認します。また蓄電池の運用には、バッテリー管理システム（BMS）を導入し、効率的に運用を行いましょう。定期的なメンテナンスもお忘れなく。

導入後の効果の評価

蓄電池導入後のエネルギーコストや環境への影響を評価し、目標達成度を確認します。運用中に得られたデータを基に改善点を特定し、次のステップに活かしましょう。

産業用蓄電池の導入は難しくない！ 下がるハードルと高まる需要

多様な大型機器を日々稼働させる工場や商業施設では、安定した電力供給が必須です。災害の多い日本ではとくに蓄電池の必要性が高く、各企業が産業用蓄電池を導入することは、日頃の安全・安定を維持しつつ、“もしも”の際には企業の信用や信頼につながる施策とも言えるでしょう。